慎重な中国の対北姿勢 [政治]



【5月27日 AFP】
 朝鮮半島情勢が緊迫する中、自国の戦略的利益を脅かされかねない中国は、何をするか予測できない同盟国・北朝鮮の手綱をどうにか引こうと水面下では工作を続けるが、表だって強硬な措置を取ることは避けるだろう――複数の専門家がこうした見解を示している。

 北朝鮮にとって大国としては唯一の同盟国であり、国連安全保障理事会(UN Security Council)の常任理事国でもある中国は、北朝鮮が著しく緊張を煽り立てる行動に出ない限り、対北強硬姿勢には消極的とみられている。

■強まる風当たり、水面下で圧力強化か

 北京にある中国人民大学(Renmin University)のCheng Xiaohe氏は、中国は「中立を保ちつつ」舞台裏で「仲介努力をさらに倍増させる」と予測する。

 北京に駐在する西側の軍事関係者もこの見方に同意し、中国は「国際社会における同国への風当たりを強くするばかり」の北朝鮮に対し、おそらく「寛大からはほど遠いメッセージ」を送っているはずだと指摘する。
 
 中国の温家宝(Wen Jiabao)首相は28日に韓国ソウル(Seoul)を訪問し、李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)大統領と会談した後、週末には日中韓首脳会談に臨む。南北関係の危機は会談の最重要議題となるだろう。

■日韓米の連携強化と北の体制崩壊懸念で板ばさみ

 米ワシントンD.C.(Washington D.C.)にある戦略国際研究センター(Centre for Strategic and International Studies、CSIS)のアジア担当アナリストで、ホワイトハウス(White House)の安全保障顧問の経験もあるマイケル・グリーン(Michael Green)氏は、半島情勢の緊迫化は中国に何の益ももたらさないと分析する。「日米韓が安全保障協力を深める新しい力学が生じる恐れがあり、それは中国の利益にならない」からだ。

 しかし中国は、北朝鮮に対する、まるで「はれ物に触るように穏健かつ慎重な」接し方をすぐに改めることはないだろう。グリーン氏は、「最終的に強い態度に出る可能性はあるが、それには北が新たに深刻な挑発を仕掛けた後になるだろう」と見る。

「中国は自国の影響力を威圧的な手段に生かすことを極めてためらっている。それによって北朝鮮という国家の崩壊を招きかねず、もしそんな事態になれば中国の国益はより損なわれるためだ」。米サンフランシスコ大学(University of San Francisco)を拠点とするシンクタンク、ノーチラス研究所(Nautilus Institute)のスコット・ブルース(Scott Bruce)氏はこう分析する。

■米国は中国の立場を受け入れざるを得ないか

 北朝鮮の主要な貿易相手国であり援助国でもある中国は、自国領内に北朝鮮難民が押し寄せたり、自国近域に米軍が展開する事態を何よりも望まない。「そのため、中国は北の安定を図りつつ米韓と限定的な対応を協議するだろう。米韓は中国の立場を気に入らないかもしれないが、我慢して受け入れるほかない」(ブルース氏)

 対北の制裁決議において、安保理常任理事国として拒否権を発動できる中国の支持は欠かせない。そして米国は一方で、イランの核開発問題をめぐる国際的対立の打開において、やはり決議を左右する中国の支持を特に必要としている。

「(中国の英語表記の略称)PRCの意味は、People's Republic of China(中華人民共和国)じゃなくて、実は『please remain calm(どうか冷静さを保ってくれ)』と関係国すべてに対して何もせず報復に出たりもしないよう頼んでいるんだ、というジョークがある」とグリーン氏は語った。(c)AFP/Pascale Trouillaud


----------引用ここまで----------



  国連安保理の常任理事国である中国にとって、北朝鮮の動きは重要である。 北朝鮮は追い込まれています。 しかし、中国にとって、北朝鮮を支援することが国益に繋がるとは思えない。この緊迫な朝鮮半島情勢がどのように動いていくかを日本国民は良く考えて、先に手を打っておかなければいけません。
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